みなさん、こんにちわ。コロナ太りで、以前よりまわし姿が少し似合うかもしれないと思っている柴さんです。
今回は、8月18日に勝本町の湯本(ゆのもと)地区で開催された「牟田神社子供角力」の見学に行ってきました!
神社の多い壱岐島では夏休みシーズンに各地域でこうした子ども相撲が行われていますが、この「牟田神社子供角力」は江戸時代から続く、特に歴史の深い神事だそうです。
湯本と相撲のつながり
実は古くから相撲と縁が深い湯本地区。湯本湾を見渡す高台にある伏見稲荷神社には幕末に村人と河童が相撲対決をした 「河童伝説」も伝えられています。
伝説では、村を荒らす河童たちを村人の篠崎さんが角力(相撲)で河童を倒し、片腕をもぎったそう。(篠崎さん、スゲェ…)
河童は片腕を返してもらうために、もう湯本で悪さをしないことを約束し、証文をこの石に書いたそうで、それ以来、湯本地区では水難がないと伝えられています。
相撲のまかないは超巨大なアレ!?
「牟田神社子供角力」 では、その年の宿(やど)に相撲に出るお母さん達が早朝から相撲のまかない準備のため集まります。今年の宿は、湯本湾がすぐ目の前にある潮湯の宿としても人気の「海老館」さんでした。
※宿・・・ 地域行事のまかない当番等をする家のこと。
さっそく子ども相撲の主食となるお米が炊き上がったようです。木の桶に移して、アレを作ります。
昔は子どもの数も多かったので、何度もごはんを炊いていたそうです。次に、桶に入れられたごはんを計量器で量ります。(昔は目分量で量っていたらしい。)
こちらが計量を終えたごはん。
1つが約400gほど。お茶碗1杯のごはんの重さが約150gなので、軽くお茶椀2.5杯分はあります。2人前のチャーハンでも作れそうな分量です。
と思っていたら、そのままサランラップに包んだごはんをお母さん達が丸くしていきました。
こ、これは…!?
ええーっ!?
なんと子どもの顔ぐらいある超巨大おにぎりになっちゃいました…
その数なんと24個。年齢関係なく、子ども一人につき2個が相撲の後に支給されるそうです。味付けは一切なしの、お米の味を存分に味わえる一品。
ちなみに、サイドメニューには、壱岐島自慢の壱州豆腐がおにぎり2個につき半丁ついてきます。 大人でもかなりのボリューム感…マジか。
「うわぁーん、そんなに食べきれないよぉ!!」
「僕はこれぐらいへっちゃらさー!」
と、子ども達の声が聞こえた気がしました(笑)
湯本独自の大祓い
この奉納相撲は旧暦の6月29日に行われるため、 相撲のまかない準備が終わると、各家々の神棚を神主が大祓い(おおはらい)に訪れます。
神棚にお供えするものとして、酒や米、塩などの他に、他の地域では見かけないお供え物がありました。
神主さんが、1個1kgはあると言われる壱州豆腐の面を箸できれいに取っていきます。
昔からこの湯本に伝わるお供え物の作法だそうで、詳しい理由はわかっていないそうですが、恐らく面をとり丸くすることで、神様がお喜びになるのではないかと思いました。
ちなみに、残った豆腐の面はお家の方が美味しくいただくそうです。
奉納相撲の準備が進む
大祓いの後、10時から「牟田神社子供角力」が始まるため、バタバタと準備が進められます。相撲を取る牟田神社にはのぼり旗が立ち、土俵の周りにはワラが敷かれています。ここが子どもたちの控え席です。
男の子達は伝統の赤ふんどしを締めて、相撲に参加します。赤は魔よけの色だそう。ちなみに、女の子は参加できないしきたりになっています。
「よーし、できた!出てないね?出たら、負けやけんな!」
準備ができた子ども達が近所から徐々に集まってきました。このまま牟田神社まで練り歩きます。
近所の人たちにも奉納相撲が始まることを太鼓でお知らせします。
牟田神社で大祓いとお清め
「牟田神社子供角力」 開幕の前に牟田神社の神様にご挨拶と大祓いを行い、土俵を清めます。